朝廷や公家が継承する儀式、作法、服飾などのしきたりに関する知識、またはその道にあかるい人を意味するのが有職です。宮中では儀式や行事での座する位置、衣装、調度、用具、飲食などのすべてについて細やかに定められ、これをわきまえないことは非礼とされました。そのために、貴族たちは儀式や祭礼に関する決まりごとを詳細に書き残し、その知識を継承していきました。これが、過去の事例を表す「故実」となり、「有職故実」として受け継がれてきました。日本の伝統文化を象徴する京の都の有職は千年余の時に育み磨かれた正統の證であり、そこには日本の美意識が深く息づいています。伝統美の極み-それが有職京ものです。